畑のトウミギは、ほとんど鳩に喰べられてしまった
小学生のころ、伝書バトを30羽くらい飼っていた。
兄貴のと合わせると60~70羽いただろうか。
鳩舎も自分たちで作った。とんとんトンカチ叩いたなあ。。
たまに行くだけの集会所のラジオ体操は眠かったけど・・
それよりも目が覚めたら、とにかくハトを大空に飛ばして、その間にハトの糞掃除をする。
30分くらい経ったらピューピューピューと口笛を吹く。
朝食の合図だ。
みんないっせいに、サラサラとバタバタとキュルキュルと
天空から手のひらのトウミギめがけて舞い降りてくる。。
腕に乗ったり、頭に乗ったりで、可愛いくてどうしようもない。
レース鳩だから訓練もする。
遠くまで連れてって、そこから放つ。
連行手段は、みかん箱に4、5羽ずつ。
達人の教えのとおり、、、。
隣県の福島から飛ばした!
お~~~~、自分たちよりも速く家に帰っていたぁ!!
ちゃっかり、どこかで出会った恋人まで連れて来ちゃったりして。
そしてまた家族がふえた。
鼻のコブが大きくてキィっとズンっとしてるのがオスで、コブが小さくてやわらかくて背筋がスっと伸びてるのがメス。
真っ白のハトは美しいけど、どうも弱くて飛ぶのが遅い。
真っ白の子と、スタンダードな子の間に産まれる両翼に一本づつ白い羽を備えたかっこいいハトは「サシ」って呼んでいて
こいつはかなり速さに優秀。
いつも空の先頭で、風の先導師。
「親分」という奴もいて、たくましくて少し太っちょで、惚れっぽくて、いつも誰かをいじめている。
だけど月日が経って、いつしか存在が・強さが・薄れていって悲しくなったのを覚えている。
それは、かばうように「ほれみろ、、ざまあみろ」
そしてその感情は、キツく醜く、それは濁った水のように、
弟であるボクは
心はどこか.ぬるく冷たく、、それでも熱く、
最後まで知りたい底が見えなかった。
弟は始まりを知らない・・
栗色の「クリ」も、才能あふれている。
どこが優れているのか忘れてしまったけど、なにかが違かった。
なんだったんだっけな~。。。
ヒナに足環を付けるのも、ドキドキした。
生まれたては小さく細くてブカブカで、
だけれども成長がおそろしく早くて、大きく太くなりすぎても上手くいかないからだ。
水色の足環で、ローマ字と数字が入っている。
生きものに番号や名前をつける喜びの恐るべき純粋さよ
・
ある日、血統書付の片羽を失くした気性の荒いオスの「黒」と
美しいピンとしたメスの子供を産ませたくて
小さな求愛鳩舎に入れておいた。
最初は喧嘩ばかりしていたが、少しずつ仲良くなってきてホッとした頃だった。
ゾゾゾーっとした。
いつものように朝起きて鳩舎を覗くと頭のないハトが倒れていた。
「黒」だった・・・
吐きそうになった。
求愛鳩舎の隅っこに小さな穴があいていた。
犯人はチューチューだった。
そう思い込まされた
ネズミは夜の鳩舎を齧るし、侵入するからだ。
今思えば、恐ろしく究極に悪いのは人間の自分だけれども
いまでも、あまりにもネズミが怖いのはきっとその記憶のように思える。
ハトを閉じ込めた罪と、ネズミへの憎しみ、
そして、「黒」を初めから何処かで嫌っていた自分を
現在、肉体と精神の狭間で宇宙と星たちを直感して
やっぱり今日という
-行間、そして、あり余る空白-
と
闘わなければならない
戦いたくはない
叩かれなければならない
叩き壊したい
と...酷くそう思うのです。
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